手紙
自分の歩いてきた道の向こうを眺めるのか。
それとも自分の歩いてきた足跡を凝視するのか。
この二つには大きな差があるように思う。
自分の歩いてきた道の向こうを眺めるとき。
人は、なぜ自分がここに歩いてきたのか、どこからやってきたのか、その始まりの風景を思い起こす。
自分の歩いてきた足跡を凝視するとき。
人は、今までどうやって自分が歩みを薦めてきたのか、どのように生きてきたのかを思い起こす。
逆に言えば、その二つ両方を見てこそ、人が「過去を振り返る」という行為が完成するのではないか。
もし今、過去を振り返っていたり、過去を振り返りたいと思う人がいたら。
あなたは是非その両方を眺めてみてください。
片方だけ見ていては、探したいものは見つかりません。
見つからないから、ずっと振り返ったままになります。
一番重要なのは、最後にきちんと前を向くということです。
なぜ今俺がこんなことを書くのか。
これは自分への手紙としておきます。
「夜書いた手紙は、とりあえず出さないで朝もう一度読み返せ」という言葉があるとおり。
明日の朝、これをもう一度読んで。
それでも気持ちがこのままなら。
手紙は出しておきます。