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小学生はガンガン犯行予告とかすればいいと「ある意味で」思うよ。

モラルについて

承前
白痴日記
小学生はガンガン犯行予告とかすればいいと「本気で」思うよ - logical cypher scape

「犯行予告」という行為*1について、id:Muichkineは「均衡」という概念を使って、意識やコストの面から「特に問題ないんじゃない?むしろ犯行予告ガンガンやっても、今ある均衡が別の均衡に移るだけじゃない?」と述べている。

ただし初めに見てきたように犯行予告には悪意も情報もない。
悪意も情報もないのに捕まるとか意味わからん。いや、実はわかるけど。
単にそれが規範、別の言葉で言えばナッシュ均衡になってるだけでしょ。

これは唯一の均衡ではなく、揺さぶれは動く均衡だ、みんながみんな一斉に犯行予告をし始めれば、これはもう対処のしようがないわけだから別の均衡点に移るしかなくなる。その均衡点とは統治者は何も対処しない、被統治者は犯行予告しまくるという均衡だ。


白痴日記

そしてid:sakstyleもまた、「自由」の面からこの理論に賛意を示している。

今回の小学生による犯行予告にいたっては、どうもニコニコ動画のコメント欄でなされたらしいのだけど、それが取り締まられたというわけだ。

このような取り締まりは、はっきりいって馬鹿馬鹿しい。

正直、ネットで犯行予告する奴は単なる馬鹿だと思うのだけど、そんな馬鹿をわざわざ捕まえてくるのは、それに輪をかけて馬鹿馬鹿しいことだと思うのだ。

http://d.hatena.ne.jp/sakstyle/20080309/1205033523

両者共にインターネットにおける自由が損なわれる、という危惧が根底にあるようだ。僕もそうした意識はないわけではないが、おそらくこの件とはあまり関わりが無いと思っている。そして両者の考え方には若干の違和感を覚える。

まず犯行予告に悪意があるのかないのかという話だが、これは確かに「犯行予告」の文面からは判断できない。ただし、インターネットという不特定多数が閲覧可能な空間において、学校やその他の人間の業務に障害をもたらす可能性のある言説であることには違いないと思う。id:Muichkineは、犯行予告を「匿名の無意味な情報」としているが、それは実際に犯行が起きなかったことが確認されたときにだけ事後的に把握できる話であって、予告が行われた時点では悪意があるのか有意味な情報なのかの区別は付かない。そして万が一その犯行予告に則って実際に犯行が行われたとき、それは事後的に「有意味であった」とされ、例えば学校側の責任や予告が行われたサービスの管理人が責任を問われることにはなる。*2
つまり行為としては十分周囲の人間の業務を妨害する可能性は発生する。そして悪意=犯意の有無だが、確かに犯行予告が行われた時点では分からない。が、行為のレベルでは法に触れると思われるので、少なくとも威力業務妨害罪で「逮捕」されるのは妥当だと思う。実際に罪に問われるかどうかはその後犯意についての取調べが必要となる。

また「自由」という観点から見ても「犯行予告」は退けられるべきものだと思う。我々は確かに自由を最大限尊重する必要がある。しかし、というかだからこそ、自由を侵害する自由は認められない。「犯行予告」は上記の通り不特定多数の目に晒されることで、一部の人間の自由を侵害する可能性がある。

ただ以上で述べたことは全て原則論であり、元のエントリも思考実験に近いものだと思われるので、あまり原則論の主張をグダグダと繰り返しても面白くない。ので僕も一つインターネットと自由という観点から書かせていただく。

このエントリのタイトルに「ある意味で」と付いているが、どういう意味で犯行予告の量産に賛成なのかと言うと、ガンガン馬鹿なやつがネットで犯行予告なんぞしてくれれば、ガンガンそうした馬鹿な奴は警察にしょっ引かれて、結果としてネットから馬鹿なやつが減る、しかもそれは犯行予告という実質的には「無意味な」行為が排除されるものであり、全体に対する影響は無いに等しい。全体にはそれがあろうがなかろうが大きな影響を持たない行為によって、馬鹿なユーザーが消えるのである。素晴らしい。

インターネットは、フィルタリング等、環境をいじることで事前の規制が行いやすい場である。僕は犯行予告を取り締まるといった事後的な規制よりも、フィルタリングなどの事前的な規制の方がより危険であると考えている。ただあらゆる行為を認める無法地帯にするわけにもいかない。そこでせめて事後的な規制は徹底した上で、事前の規制をなるべくゼロに近づけるという方向性を望んでいる。もちろん事前の規制が規律訓練化するという話はあるのだが。

*1:小学生によるインターネット上の犯行予告が相次いだことを受けた記事と思われる。http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/06/news006.html

*2:一応エントリ先ではゲーム論的な発想を用いることで責任の回避が説明できるとされているが、そのような発想を法は想定しておらず、ゆえにそうした発想を他人に強制することは出来ない。