絶倫ファクトリー

生産性が高い

ダークナイト・ライジングを見た。

『ダークナイト ライジング』町山氏 公開直後ネタバレ用心ツイート

 

ここで書かれていることでだいたい事足りる感想だった。

娯楽映画としては楽しめるけど、ノーラン×バットマンでわざわざやらんでも。インセプションに続くノーラン最新作、またはダークナイトの続編! と期待して見に行くとがっかりする。あと100回くらい言ってるけど、アン・ハサウェイキャットウーマンが素晴らしかった。もうこれに尽きる。

 

ちなみに上記リンクに英ガーディアン紙の評として「億万長者バットマンが反資本主義運動を暴力で潰し、富裕層のトリクルダウンを推奨」というのが載っているけれど、それは違うと思った。確かに劇中でベインは囚人を解放して、ゴッサムを警察や政府から市民の手に取り戻すと標榜する。けれどその結果訪れるのは、自由ではなく、別の規範だ。相互監視による、不信を元手にしたコミュニティが現れるに過ぎない。

 

ベインはかなわぬ希望を見せることが最大の絶望を生み出すことを知っている。これも格差社会の議論でよく出る論点だ。富裕層と貧困層が経済的・社会的・物理的に分断され、けれどメディアを通じて、消費社会における理想のライフスタイルだけは共有される。夢だけは平等に見させられる。

 

決して手に入らぬ自由と平等を掲げる解放者は、別の規範を持ち込む扇動者に過ぎない。諦めと不信に基づいた規範。

 

ただノーランのバットマンシリーズを、現代アメリカ社会の描写として読むのがいいのかはよく分からない。というかそうも読めるんだろうけど、別にもっと面白いポイントはあるはずで、それって何なんだろう、そもそもノーランの映画の面白さってなんだっけと考え始めたらよくわからなくなったので昨日はそのまま寝た。