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社会学

『サブカル・ニッポンの新自由主義―既得権批判が若者を追い込む』

サブカル・ニッポンの新自由主義―既得権批判が若者を追い込む (ちくま新書)作者: 鈴木謙介出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/10メディア: 新書購入: 11人 クリック: 168回この商品を含むブログ (103件) を見るどちらかというと、「社会学者・鈴木謙介」…

『POSSE』を手にとってみた。

『POSSE』、悪くないと思うんだけどなぁ。雑誌『POSSE』ホームページ|NPO法人POSSE 雑誌『POSSE』を9月に創刊します。 - NPO法人POSSE(ポッセ) member's blog 当事者に売るのか否か ちょっとばかしはてなまわりで話題になっている労働問題誌(同…

「シノドスシンポ 1968+40 全共闘もシラケも知らない若者たちへ」

Guest | Cash Advance | Debt Consolidation | Insurance | Free Credit Report at Kazuyaserizawa.com1968 年、世界中の大学で紛争の波が巻きおこった。日本でも既存の左翼を批判して学生たちが立ちあがり、〈自由〉を求めて警官隊と激しい攻防戦を繰り広げ…

鈴木謙介の「転向」?

タイトルは釣りです。サーセン。 鈴木による「ロスジェネ論」の批判的検討 [rakuten:book:13019616:detail] 文化系トークラジオLife作者: 津田大介,斎藤哲也,柳瀬博一,佐々木敦,仲俣暁生,森山裕之,鈴木謙介出版社/メーカー: 本の雑誌社発売日: 2007/11/08メ…

「承認」だけでは済まぬ問題たち―物語と承認の彼方に

「承認」の話が自分の観測範囲内でちょくちょく見られるので後出しじゃんけんをしてみる。「ロスジェネ」のシンポでも色々話が出たようだが、パフォーマンスと言えどナイーヴな議論も出たようで、またいくつかの議論はその焦点がぼやけているものもある、と…

前回の西成地区暴動のエントリについての訂正

前回のエントリについて。コメント欄でのyas-igarashiさんとのやり取りを見ていただけると分かるが、「追記」として書いた部分 追記:ちなみに僕はこの件について「警察の暴力性」とかを批判するのはナイーブだと思っている。確かに警察の対応は横暴だが、そ…

西成区暴動と社会関係資本

最近脊髄反射でコメントしたりエントリ書いたりすることが多い。いやだなと思う反面自分の興味を惹く話題が多いのだなぁと思う。そしておそらくそれは社会が悪くなっている傾向なんだろう。社会学で社会を語る奴が出てきたら、その社会は悪い状態にある。 社…

思想地図シンポジウム『公共性とエリート主義』

雑感 昨日、新宿紀伊国屋サザンシアターで行われた思想地図シンポジウム『公共性とエリート主義』を見に行ってきた。今回のパネリスト?は宮台真司、東浩紀、北田暁大、姜尚中、鈴木謙介である。詳しい内容については他で上がっているだろうし書籍になる(は…

弱者の代弁者?

加藤智大は格差社会の代弁者ではない - the deconstruKction of right秋葉原の事件に関してもう書くつもりはなかったのだけれど、一つだけ。 この上記リンクのエントリのコメント欄が荒れ気味なのがよく分からない。この事件に関して出たエントリの中ではか…

なぜ「秋葉原」なのか―スペクタクル化という逆流

<ユートピア>の脱走者/破壊者 朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか?8日午後0時30分ごろ、東京都千代田区外神田3丁目の路上で、車が通行人らをはねた後、車から降りてきた男1人が通行人らに刃物で次々に切りつけた。東京消防庁による…

デッドエンド・ジョブと若者―「ワープア論壇」の踏み絵

昨年度ゼミでお世話になった先生の文章がはてブでちょっと話題になった。五十嵐泰正「「ババ抜きゲーム」は続くのか?――国内第三世界化と外国人労働者」従来は家庭の中で女性に押し付けられていた再生産労働が、マーケットに委託され低賃金かつ他の職業にス…

「東京から考える」再考―都市を考えるためのマトリックス

昨年秋の「柏から考える」(柏初上陸―「柏から考える」の感想 - No Hedge!)について、先日のゼミでもう一度考える必要があったので色々整理してみた。*1これは柏がどうというレベルではなく、おそらく「東京から考える」東京から考える―格差・郊外・ナショ…

公共圏か動物か―思想地図における白田―東の議論を巡って

思想地図〈vol.1〉特集・日本 (NHKブックス別巻)作者: 東浩紀,北田暁大出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2008/04メディア: 単行本購入: 27人 クリック: 1,022回この商品を含むブログ (163件) を見る思想地図を読み進めている。東浩紀、北田暁大、萱…

「戦後」の<歴史>化

先日ゼミで先生に言われて気づいたのだが、そういえば「戦後」という言葉を最近とんと見なくなった。中曽根首相が「戦後政治の総決算」という言葉を使って以降も、メディアでは自分たちの現在生きている時間を指して「戦後」と呼ぶことはあった気がする。メ…

メタユートピア/ゾーニング/テクノロジー

以下現在書いている原稿用のメモ。 メタユートピアとゾーニング メタユートピアという言葉がある。ロバート・ノージックによる論が有名であるが、リベラルな社会においては多様な価値が混在しており、人々は同じ価値を認め合うものどうしが自発的な共同体を…

「アイデンティティ」という魔窟

行為と意識を結びつける難しさ ゼミ論や卒論用に本を読んだり文を書いていてよく思うのは、「アイデンティティ」というのはかなりパンドラの箱に近い言葉だ。これほど現代の社会を表すのに多用され、かつその意味が統一的でない用語もない。もちろんそれなり…

正月と資本主義

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。昨年は、ブログを通じて学園祭で文章も書かせていただいたり、勉強会参加させてもらったりと、「ブログ書いててよかったなぁ」と思うことが多くありました。今年もまたそんな風な年にしていき…

「不安」は金が勿体無いからやめろという話。

監視カメラ付けて子供にGPS携帯持たせてるような「不安」な人々には、「金が勿体無いからやめろ」で良いんじゃないかという話。(12/18 文章下段に追記) 以前実家に帰ったときに母親と話していたら、件の「少年犯罪神話」―少年犯罪は近年増加していて、凶悪…

「生きる意味」を問うということ

このブログだと都市社会学系のことについてばっかり書いてるのだけれど、実は大学の授業では他にゼミっぽいものとして医療社会学の調査実習の授業も受けている。実習と言っても、闘病記を読んでそれについて考えるという形式なので、病院に行って何かを聞く…

Twitter始めました/都市とアイデンティティ

今更ですがTwitter始めました。 某新型ブラウザの使い心地を確かめるために今さらですが始めました。 ID:klov 見つけたらお気軽にfollowどうぞ! 都市に対するアイデンティティの種類―固有性について 9月のあるときからふとひっかかって、それがのどの奥に…

柏初上陸―「柏から考える」の感想

三日に、柏市で「東京から考える」の著者・北田暁大氏と、僕のゼミの五十嵐先生が「柏から考える」なる対談をやるとのことで、聞いてきた。 五十嵐先生は柏にずっと住んでいて、北田氏も柏在住だったことがあるらしい。そんなわけで、五十嵐先生と縁のある柏…

ゼロ・トレランス(ノー・トレランス)について

某所から話が来たため、ゼロ・トレランスに付いてちと書きたいと思う。*1 ゼロ・トレランス、および割れ窓理論 ゼロ・トレランスの概要に付いては以下wikiから。 ゼロ・トレランス方式 - Wikipedia本来は工場で出る不良品を完全にゼロにしよう、という標語に…

射殺すべきではない。

愛知の立てこもり事件が解決したようだ。犯人が投降したのか何なのか知らないが、とにかく追加の犠牲者が出なくて良かった。ところで、今回の立てこもり事件はSATが出動しておきながら解決に一日以上かかったわけで、ネット上を見回しても時間がかかりすぎて…

ゼミでのお話。

孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生作者: ロバート・D.パットナム,Robert D. Putnam,柴内康文出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2006/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 74回この商品を含むブログ (70件) を見る 信頼と取引コスト まだ全部読…

昭和ノスタルジー CSF例会より

CSF例会に行ってきた。 かなり刺激的で面白かった。ゼミの先生がいなかったら行ってなかったが。良かった良かった。 とりあえず昨日自分メモ兼昨日うまくまとめられなかったことをここでまとめてみる。 五十嵐泰正先生の話―ノスタルジーからコミュニティ論へ…

ついに…買っちゃった…

孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生作者: ロバート・D.パットナム,Robert D. Putnam,柴内康文出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2006/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 74回この商品を含むブログ (70件) を見る一冊7000円超…迷っていたのだ…

努力が足りない?

所与のシステムの中で獲得した名声や地位や富を「自分ひとりの努力の結果」だとして、そうしたものを得られない人間を「努力が足りない」と貶める人間ほど卑しい人間はいない。 貴様が手に入れた名声・地位・富を得たのは社会の中だ。既存の社会システムの中…

日本における監視カメラとゲーテッド・コミュニティの可能性

「東京から考える」は現在僕が書いているゼミ論の観点から見てもなかなか面白いので引き続いて言及してみる。都市とセキュリティについての話は近年色んなところで見かけるのだけれど、そのときにほぼ必ずと言っていいほど出てくるのが監視カメラとゲーテッ…

湘南から考える

Amazon.co.jp: 東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス): 東 浩紀, 北田 暁大: 本のっけから地元・湘南が出てきてびっくりした。そういや北田さんは藤沢出身か…湘南―筑波ラインという点ではちょっとだけ同じ。ちょっとだけ。この本の冒頭…

何故勉強するのか?という問いに対するややメタな答え

何故勉強するのか?と聞かれて、答えは人それぞれだろうが、僕は「無駄な議論をしたくないから」と答えるようにしている。 僕はこんなブログを開いてるぐらいだから、議論したり意見を述べたりするのは好きなほうなのだが、そうしたときに常々不安に思うのが…