絶倫ファクトリー

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或る下らない童話

あるところに一匹のウサギが住んでいました。ウサギの近くにはオオカミも住んでいました。オオカミはその鋭い爪と牙でウサギをいつも脅かしていました。
けれどオオカミが騒ぐたび、遠くに住んでいる狩人がやってきてウサギをかばってくれるのです。
「おとなしくしないと鉄砲で撃つぞ!」
狩人は鉄砲を持っていました。ウサギはいつも狩人に助けてもらっていました。
でもウサギはいつまでも狩人に頼っているわけにはいかないと思いました。そこであるときウサギはオオカミのような鋭い爪をつけました。
けれど何か物足りないと思い、オオカミのような鋭い牙もつけました。
それでもやっぱり何か足りないと思い、オオカミのような毛色に染めました。
これで準備は万端です。どこからどうみても力強いオオカミです。
そしてまたオオカミが脅しに来たので今度はウサギもオオカミを脅しました。二匹はケンカを始めました。
そこへオオカミの声を聞いた狩人がやってきました。見るとなんとオオカミが二匹もいるではありませんか。
「これは困った。早くやっつけなければ」
そう思った狩人は二匹のオオカミを鉄砲で撃ち殺しました。
オオカミと間違われたウサギは死んでしまいましたとさ。