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決戦の日

前々から大学の友人たちと「筑波批評社」なる怪しげなサークルを作って批評ごっこをやっている、という話はここで何度か書いたのだけれど、11月9日、ここ数ヶ月の集大成とも言えるイベントがあります。

文章系の同人誌を持ち寄る即売会イベント「文学フリマ」。
その第7回が明日開催されます。筑波批評社は昨年秋からこのイベントに参加。1冊100円のコピー本を作って、銘々の書いた文章を世に出す場としてきました。

今回も『筑波批評2008秋号』と題し、文学フリマに出展する予定です。

が。が。が。9日は、9日だけは特別な1日になります。

文学フリマ - 文学フリマ公式サイト-お知らせ
新たな批評家の育成を目的とした「東浩紀ゼロアカ道場」。第七回文学フリマが、その第四関門の舞台となります!
なお今回はこれまでのゼロアカ道場の関門とは異なり、文学フリマ事務局と講談社BOX編集部との共催による特別企画となります。
この企画では文学フリマ参加者向けの「道場破りシステム」が設けられています。要項に沿って2人1組の同人誌を作り評価を獲得すれば、現在のゼロアカ道場門下生に取って代わり「初版一万部デビュー」の夢を追うことができます。

筑波批評社からはid:sakstyleid:Muichkineが代表として選出され、この2人が未来の批評家目指してガリガリ原稿を書いていました。同人誌自体は、筑波批評社全体でその製作をサポートしてます。

肝心の同人誌の中身についてはこちら。

『筑波批評2008秋』について - 筑波批評社
* 批判的工学主義とは何か――建築家・藤村龍至インタビュー
* アダルトヴィデオ的想像力をめぐる覚書――ゼロ年代的映画史講義・体験版(渡邉大輔)
* リアル入門――ネットと現実の臨界(工藤郁子)【紹介記事】
* 文芸批評家のためのLudology入門――<ゲーム>定義のパースペクティブ(高橋志行)
* 工学の哲学序説(シノハラユウキ)
* 「コンテンツ植民地」日本(min2fly(佐藤翔))
* ケータイ小説の作り方――ケータイ小説家・秋梨インタビュー
* フィクションするとは一体いかなる行為か(シノハラユウキ)
* 兄弟という水平面/擬似的な垂直性(シノハラユウキ)
* フラグメンタルアプローチ(塚田憲史)
* &LOVE――『あたし彼女』『メルト』(塚田憲史)
* Synodos+筑波批評社
* 座談会 ニコニコ世代に歴史はあるか?

個人的なお勧めとしては巻頭インタビューの藤村龍至氏インタビューでしょうか。彼はアトリエ系の建築家ですが、学部時代は都市計画に近かったらしく、現在でも建築物単体ではなくその周囲の諸条件を徹底して読み込んでいくという姿勢は、「作家性」の再定義にも繋がるような、ダイナミックな話であります。
あとはシノハラ・塚田の原稿も、結構小難しいことは書いてありますが、作品評論は2人とも常にかなりクォリティが高いものを書いていると思います。身内が褒めてもしょうがないという話もありますが。

他にも刺激的なコンテンツが多く載っています。各コンテンツに関しての詳細は、リンク先の紹介エントリを見てください。
こうしてみると、結構バラバラな内容に見えますが、その点について先日「g86」という僕らと同じ世代の建築系ユニットとの対談で、シノハラ(sakstyle)はこう言っていました。

vol.17批評集団 筑波批評社 - space journal

シノハラ: 『筑波批評』という雑誌には、かなりバラバラの記事が載っています。もし、ブログで書いていたら、これらの記事をまとめて読む人は多分いないと思います。でも、これらの記事を、ひとまとまりのものとして読むと、なんか共通しているものがあるように見える。これは、さっき言った、集合の定義(?)の話とも多少繋がってくるかなあと思うのですが、同じ場所、同じ文脈に放り込んであると、バラバラのものが何となく繋がって見える。

これは、現段階だと、紙媒体にはあるけど、ネット媒体だとあんまりない要素ではないかと思っています。でも、ネット媒体とかでも、そういうことができないといけないんじゃないのかなと思ったりはしているんですが。

バラバラの論考をバラバラのまま世に出すなら、ブログ書くなりしたほうがローコストだしレスポンスも早い。そっちのが良いに決まってる。けれどまとめると他のコンテンツも無理やり?読む気が起きるし、なんとなくゆるく繋がった文脈が見えてくる。

今回の本誌の場合、キーワードは「ゼロアカの再定義」です。ゼロアカ道場の主催者・東浩紀氏を中心としたゼロ年代のアカデミズムと呼ばれるブームがあった一方で、その周辺においやられ光の当たらない芽や種がいくつもあったはず。そういうのを掘り起こしていこう、という趣旨です。

さてそんなわけで。9日はは東京都秋葉原・東京都中小企業振興公社 秋葉原庁舎 にてお待ちしております。秋葉原駅から徒歩1分程度です。地図はこちら。
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筑波大生の方、TX秋葉原駅から地上に出て右向いたらすぐ目の前です。それ以外の方、なんか怪しい集団がぞろぞろ歩いていたら付いてけば分かります。

Refine the ZeroAca!