「TRON:LEGACY」を観た。
すっかり月刊化が激しいこのブログですが、本年もよろしくお願いいたします。
「TRON:LEGACY」を観た(ネタばれあります)
Twitterではというか自分のタイムラインでは評判が良くなかったのだけど、お正月だし良いでしょうということで川崎109シネマズへ。3Dモノは吹き替え版しか見る気が起きないのがネック。
基本のストーリーはシンプルで、息子が父親をいかに超えるかという話。と同時にその父親と協力して父親のコピーと戦うことになる。父親のコピーは理想に燃えていたころの父親なので、そのころの父親しか知らない息子は理想を超えて達観したかのような今の父親にいら立つ。さてどうしましょう、という話をヴァーチャル世界でドンパチやっている映画。
基本的に、この作品は前作が公開された1980年代における「未来」への想像力の延長線上にある。過去の時点での未来への想像力をベースに作ったSFというのはそれはそれで新鮮だったので、明らかに合理性からはかけ離れた見た目重視のガジェット群や、謎の電子回路記号が付与されたスーツや、背中に外付け(しかもでかい)されている大事なディスク(ログ管理・武器など複数の機能が与えられている)も結構楽しめた。両手で持ってジャンプするとバイクや戦闘機になるスティック、あれは欲しい。
また音楽が妙にかっこいいなと思ったらDAFT PUNKでした。しかも劇中に出てたし。サントラも出てますね。作品の雰囲気としては「ユートピアとその反転としてのディストピアもの」といった感じなので、全体的に暗め。その雰囲気に厳かな電子音が合っていた。
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- 出版社/メーカー: Walt Disney Records
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ガジェットはかっこいい。音楽もかっこいい。大筋のストーリーも良い。だが演出お前はダメだ。ストーリーを個別の動きに落とし込む際になんかバグでも発生したんですかというくらいにグダグダ。特に現在の父親の描き方。彼は舞台となっているヴァーチャル世界の創造主(の一人)で、一種のゲームマスター。なので彼をプレイヤーとして描く際には色々と注意が必要で、ゲームマスターだからといっていきなりルールを無視したり見ている側の知らないルールにのっとって技を使ったりすると、見ている側は一気に萎える。そして多分こういうのはフィクション作品を作る際の定番のお約束だとは思うのだけど、結構それをやってしまっている。
SFのような異世界モノは、その世界のルールをどうやって面白く見ている側に説明するかが最初のハードルだと思うのだけど、そこを投げてしまったので*1、父親が単なるリアルチートになってしまっている。しかも道場着をイメージさせる白い服、伸びた髪、髭と「元ヒッピー現グル」みたいな風貌がよりうさんくささを上長していてどうなのと思った。ラストシーンとかもう完全に覚醒したグル。その力どっから出てきたの。
ただガジェットと音楽がとてもかっこいいので、それを観るための映画と考えれば非常に楽しめる。そこは映画館で見る醍醐味でもあるので。