「代官山 T-SITE」の「蔦屋書店」に行ってきた
先月オープンした「代官山 T-SITE」の「蔦屋書店」、いわゆる「大人のツタヤ」に行ってきたので雑感。
3,40分しかいなかったのだけど、良くできていると思った。2階建て(3階もあるようだけどスタッフオンリーの模様)の建物が3つ並んでいる。
http://tsite.jp/daikanyama/store-service/
面白かった点
- この3つの建物を貫くのが、「マガジンズトリート」と呼ばれる雑誌を両サイドに並べた道。建物ごとに扱っているテーマは違うが、そのテーマごとの雑誌が3つの建物をつないでいる。ただ実際に行った時には気付かなかった。後で調べて気付いた。
- エスカレータの段差のうち、こちら側を向いている面に次のフロアのテーマ(映画だったら「movie」)が書いてある。文字だと表現しづらいけど、乗る前に視線を無理に上げることなく行き先を確認できる。
- 普通の書店のように、棚置きの下に平積み、ではなく棚と平積みが分かれている。平積みは平積みで小さな小島を形成するように配置されており、テーマがわりと分かりやすい(明記されているともっと面白いんだけど)。
- スターバックスがあるのだが、スタバのエリア以外にもあちこちにソファーが置いてあり、飲み物を飲める。本を読める。
あとから調べてみたこと
- 何の跡地に立っているのか気になったので調べてみると、NTTとノースウエスト航空の社宅跡地とのこと。T-SITEのウェブサイトには「水戸の徳川邸屋敷跡地」とかかっこいいことかいてあるけどいきなりそれはないだろうと思ったら。ちなみにここのNTTの社宅は昭和30年代ごろ出来たもののようで、公団住宅に似ている。
気になっていること
- デザイナーに原研哉を使っているものの、ここを見るとそれ以外は正直知名度が高い人を使っています!というわけではなさそう。場所と外観を考えると、隣接しているヒルサイドテラスを意識しているのは明らか。というか代官山におけるヒルサイドテラスの持つ文脈が強すぎるので、多分それを壊さないように、建築設計ではあまり個性の強く出過ぎない人を使ったんだろうか。
- セレクトショップっぽいイメージを持つけれど、別にそういうわけでもなく、本のカテゴライズ等はおおよそ普通。品数の豊富さはあるけれど、もう少しその時々のテーマを出すようにしないとリピーターが付かないのでは。松丸本舗の2〜3歩手前、みたいな。
- ビジネスモデルが気になる。CCCがリアルの店舗の扱いに困っていて、さっさとウェブに移行したいのに捨てるには大きすぎるし活かすには赤字店舗があるしとジレンマに陥っている話はたまに聞くが、この代官山 T-SITEをどう使うのだろう。見たところ、書店を中心としつつもその他の商業施設含めた総合文化エリアみたいな形で売っていく感じはする。代官山以外にも、その土地の持つ文脈を上手く活かしつつ高級路線で展開することはできそう。代官山の文脈を上手く使っているけれど、代官山でしかできない手法ではない。ショッピングモールのある種の進化系、といったら言い過ぎだろうか。