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絶倫ファクトリー

生産性が高い

湘南から考える

社会学

Amazon.co.jp: 東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス): 東 浩紀, 北田 暁大: 本

のっけから地元・湘南が出てきてびっくりした。そういや北田さんは藤沢出身か…湘南―筑波ラインという点ではちょっとだけ同じ。ちょっとだけ。

この本の冒頭に出てくる「神奈川」感はなかなかしっくり来る感じがする。神奈川って、東京には及ばないのだけれど、なんだかこう負け犬意識も特に無い。埼玉や千葉が持ってるようなコンプレックス(むろん『北』関東が持つ論外感も)を持たず、神奈川たることに満足している。
これはもちろん全国一般に知られるような「ヨコハマ」的な神奈川のイメージがあるからかもしれない。が、僕の地元である茅ヶ崎や藤沢といった「湘南」は、県内でも無駄にアイデンティティ意識が高い気がする。
ちなみにここでいうアイデンティティは「湘南」としてのアイデンティティではなく、茅ヶ崎なら茅ヶ崎、藤沢なら藤沢のアイデンティティだ。というのも以前、茅ヶ崎、藤沢、寒川、平塚といった湘南一帯が合併し、「湘南市」を作ろうとしたことがある。しかし藤沢と茅ヶ崎が反発、平塚も反対派の市長が選挙で勝ったため話はなくなった。藤沢は「藤沢」の、茅ヶ崎は「茅ヶ崎」としてのネームバリューがみたいなものがあるという意識があったのだろう。茅ヶ崎は特にサザンオールスターズがあるからそれが強い。あと「湘南」という称号は大概湘南の外の人間が使うのであって、中の人間は、少なくとも茅ヶ崎の人間はそこまで湘南にアイデンティティがあったか謎だ。(その割りに、最近逗子や小田原の方のマンションまで「湘南」を名乗るようになっている事態には文句を言う。せいぜい藤沢〜大磯くらいまでだろうと思うのだが。小田原は西湘だろう)
あと茅ヶ崎に限って話を進めれば、茅ヶ崎は藤沢と違って小田急線が通っておらず、相模線と東海道線だけなため、外に対する意識がどうしても横浜に直結しやすい。だから、と無理矢理論をつなげるわけではないのだけれど、あんまり東京を意識することは僕もなかった。横浜行けば全部済むのだもの。
そんなわけで、多くの神奈川人はその意識が「横浜」で止まり、うちに閉じる形になる。そしてさらにすごく狭い話をすれば、茅ヶ崎は湘南やらサザンやらその他もろもろの記号で無駄にアイデンティティを内に持つ。
多分神奈川の外の人間も、そういう雰囲気を感じ取ってるんじゃないかと思う。だからチバラギとかダサイタマとか言われずに、なんだかんだで東京のお膝元にちょこんと座っている。そんな感覚を、この本を読んで思い起こされた。