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はてブという「逆サトラレ」

 このブログのいくつかの記事は、割と多くの方のはてなブックマークに載ってます。僕もはてブは利用してるんですが、これって一種の「逆サトラレ」な気がします。
 はてブは、記事を登録した上でそこにコメントをつけるんですが、アクセス解析からそのはてブに飛べば一応そのコメントは管理人が見えますし、アクセス解析なくてもRSSリーダーとかから分かります。
 ところが、こうしたはてブのコメントは、つけてるほうとしてはあまり見られるという意識がないのでたまにそのコメントの内容をめぐってトラブルが発生します。しかし同じトラブルでも、ブログのコメント欄とはちょっとわけが違う。ブログのコメント欄は明らかに記事を書いた人にも、それを見た人にも、みんなに見られるという意識が働くわけです。手軽にブクマできて、手軽につけられるはてブのコメントは、いわば簡単な感想みたいなものに近い。

 はてブのコメント欄にコメントを書き、それをブクマされた記事を書いた人が読む。これは記事を書いたほうとしては、その人が自分の記事を「心の中」でどう思ってるかが分かってしまうことに近いと思うのです。たぶん世の中、自分が人に心の中でどう思われてるかが分かっちゃったら、トラブルだらけになってしまうでしょう。

 ブログとmixiの逆転 - No Hedge!にもちょっと触れましたが、インターネットの特徴として様々な関係性が可視化される点があります。ブログはその程度がまだ低かったんですが、mixiになると可視化の度合いは高くなった。そしてはてブ等、ソーシャルブックマークの台頭により、ブログも可視化の度合いが高くなる。「誰がどのように思っているのか」が分かってしまう。まぁmixiと違い可視化される視線はリアルを基盤とした友人関係ではないので、権力的な要素は低いかもしれませんが、もしリアルの友人に見られることしか想定してないブログの記事がブックマークされた場合、それはそれ以降その人の記事の内容に対して権力的な効果を発揮するでしょう。

 mixiが「いくつも壁や天井に穴が開いた狭い部屋に閉じ込められ、その穴から入れ替わり立ち代り知り合いが自分のことを覗いてる」状態とするならば、はてブに登録されることは「人ごみの中で、周りの人間が自分をどう思ってるのか見えてしまう」状態です。

 こうした事態がいいのか悪いのかは分かりませんが、少なくともはてブ等のソーシャルブックマークを知っているか知らないかによって、人の心が見えるか見えないかという「格差」が発生する。最近ソーシャルブックマークも一般化して、各社は普及に努めていますが本当にこれが一般化したとき、つまりブログをやっている人たちとソーシャルブックマークを利用している人たちがイコールに近くなったとき、彼らは「自分の心を読まれ、人の心を読む」能力をいやがおうにも手にすることになるわけです。そうなった場合、どのような事態が起こるのかは、リアルの世界でその能力を手にしてしまった場合を考えれば想像に難くないはずです。