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「市民新聞」は欺瞞か?


ブログでも2chでもない「市民新聞」とは――オーマイニュース鳥越編集長に聞く - ITmedia ニュース

どうなんでしょう。この記事から察するに、「拡大版ライブドアPJ」に落ち着いてしまうような気がするんですが。PJはすでに叩かれまくってますし。
以下引用と突っ込み。

マスメディアのように一方通行ではなく、今までマスメディアに相手にされなかったような市民の声を載せていきたい。子ども学生も、農業をやっている人も町工場の職人も、キャリアも新聞記者も。みんな市民。国民全員が市民だ。

 意気込みはすごいんですが、果たして農業やってたり町工場の職人がわざわざネットのニュースで記事書きたいと思いますかね?インターネットの普及率だけで言えば可能性はありますが、どのくらいディープに利用しているかというとそこまでではない気がする。むしろ結局今ブログ等でさかんに活動している比較的若い層が参加して終わってしまう気がします。

それで終わってしまうならまだ良いんですが、鳥越氏がこのOhmyNewsをブログや2ch(そもそもこの二つを並列にすること自体疑問)と差別化させようとしている点に問題がある気がします。

 

2chはエンターテインメント、娯楽だからそれでいい。これが報道、ニュースと言われた上で嘘だったら大変なこと。2chを見るときは、あそこには本当もあるかもしれないけど嘘もある。そういうもんだ、と思って見ているから成り立つ。

しかし、2chに限らずネットの世界、時にはリアルの報道においても重要なのはこの「あそこには本当もあるかもしれないけど嘘もある。そういうもんだ」という意識だと思うんですが。新聞やテレビもかなり嘘入ってますよ。

そしてさらに

記事が100件きたら100件全部裏を取るというわけではない。

というのだから問題です。このままだと、

1.まず記者に興味を持つのが普段からブログやってる人
2.普段のブログ感覚で記事提出
3.そこまで厳密じゃないチェックを経てウェブ上へ
4.「ニュース」として出されるので、見てる人がまんま信じる

 もちろん記事の中身は玉石混合なんでしょうが、鳥越氏の論調だとみんながみんな記事を「玉」だと勘違いしかねません。さらに彼は市民記者に記事を書いてもらうためのモチベーションとして、専門部記者の記事を挙げてます。要はOhmyNewsの「中の人」の記事なんでしょうが、そうすると今度はその「中の人」がどのような記事を書くかというによって、市民記者の記事内容も恣意的な影響を受けかねません。これでは「市民記者」である意味がない。
 そしてその記事の中身は上記の1〜4の流れの通りなら、サクサクっと信用されて、浸透する。下手をすれば世論のミスリーダーになりかねない。

 鳥越氏の企画していることは今までネットの情報を見る際にあった「所詮ネットだから」という意識の消えた、無駄な権威付けをしただけの危うい存在をネット上に作り上げようとしている気がするんですが。どうなんでしょう。