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『ツイッター 140文字が世界を変える』の大事なこと3点


ツイッター 140文字が世界を変える (マイコミ新書)

ツイッター 140文字が世界を変える (マイコミ新書)


今流行りのいわゆる「Twitter本」の代表格。
著者の1人、コグレマサトさんは[N]ネタフル管理人。

Twitterの概要から、Twitterを活用している企業のインタビューまで、Twitterの「イマ」を綺麗に切り出した本。

テイストとしては初心者というかTwitterをあまり知らない人に向けたものでありながら、今のところTwitterに関して押さえておくべきポイント3点をきちんと押さえているところがすごい。

その3点とは、

1.Twitterの発想はSMS(ショートメッセージサービス)の延長線上にあること。

2.企業が使用するメリットは、1にも2にもコストパフォーマンスの良さであること。

3.「今」を知ることのできるリアルタイム検索の優位性。

この3点である。

1.SMSの延長線上にあるTwitter

Twitterを説明する際、「ミニブログ」という名称やSNSとの比較は枕詞となっているが、SMSの延長線上にあるといういう事実は、そうした説明が的外れであることを意味する。ブログやSNSといったストック型のプラットフォームとの差異に基づく説明は、「で、結局Twitterで何ができるの?」という問いに対し、明確な答えを提供できない。「Twitterとはこういうものである」という説明はできても、「Twitterはこういうことができる」というより積極的な説明に結び付けづらいのだ。
一方、SMSの持つスピード感との類似による説明をは、「これができる」というイメージを相手に喚起させやすい。もちろんSMSが日本で一般的ではないという事実は棚上げした上での話になるが。

2.メリットはコストパフォーマンス

企業の相次ぐ参入は、今年に入って起きたTwitter上での大きなトレンドの変化の1つだろう。だが随所で指摘されているとおり、企業がTwitterを利用して、followerに対して自社の製品やブランドイメージをリーチさせようとした場合、キモになるのは絶対的なリーチ数の規模ではなく、そのコストパフォーマンスである。5000人のユーザーに対して、製品や会社のイメージを植え付けたい場合、最も低コストで目的を達成できるのはTwitterである。だが100万人のユーザーに同じことをするのであれば、コストパフォーマンスが悪くても、素直にマスメディアを使った方が良い。良いというか、それしかない。当たり前の話ではあるが、どういったユーザーに対して何をアピールしたいのか、ターゲットを絞って使うことが肝要になる。

3.リアルタイム性のメリット

Google等、既存の検索エンジンは、その膨大なデータベースからユーザーが望む情報を切り出したいとき、「"過去"の情報しか切り出せない」「望む情報に出会うためのクエリ入力リテラシーがユーザーの側に必要」という制約がある。一方でTwitterのリアルタイム性は、これらの制約を軽々と飛び越える。Twitterでは、buzztterハッシュタグによって、「今起きていること」の切断面が自然とユーザーの前にせり出してくる。時間軸が「今」に設定されることで、ユーザーが興味を持つトピックの幅も限定され、欲しい情報に出会うための負荷が減る(逆にいえば「今」に関係ないトピックでTwitterから情報を切り出そうとすると、いくつかの障害にブチ当たる)。

これら3点がさらっと易しい言葉で書かれており、「Twitterとかマジ2007年から使ってますからwww今更www」という人にも、単にユーザーとしてその中にいるだけでは分からない視点を提供してくれる。