絶倫ファクトリー

生産性が高い

She, the ultimate weapon!!

見てきましたよサイカノthe Movie!!!!


ネタバレをなるべく防ぎつつ語っていきたいと思います。


まぁ配役とか原作については割愛。

で。

映画の出来なんですが。

100点満点中、概観だけ述べると。

78点くらいかしら。


ええとですねぇ。

最終兵器彼女が名作たるゆえん。

いくつかあると思うんですが。

俺がその最大の理由に挙げるのが「日常と非日常の摩擦」なのですよ。

恋愛対象の女の子というごくごく一般的な「日常」と、

戦争という、この国でもう半世紀以上起こっていないまさに「非日常」。

その二つが、ちせという女の子の中で、まさに文字通り同居するわけです。

彼女と戦争。普通ならば決して擦り寄ることの無い二つがすりより、また一つの人間の中に押し込められることで、様々な矛盾が発生するわけです。身体的にも精神的にも、周りの人間関係にも。

そういったいわば「摩擦」が、ストーリーが展開されるにつれて次第に大きくなり、摩擦が最大限に達したところで、その二つは擦り切れ、「ぐちゃぐちゃ」になってしまう。

原作のラストが「わけわからん」ラストなのも、おそらくこういう構造だからだと思うのですよ。彼女と戦争が一つの肉体に同居して、様々な矛盾を発生させていった先に、理路整然とした結末があっていいものか?可能なのか?不可能でしょう。

「摩擦」によって擦り切れた「わけわからんぐちゃぐちゃなもの」が原作のラストであり、そこには彼女と戦争、日常と非日常の混沌とした結合が見て取れるわけです。

で。

こんどの実写版の映画なんですが。

どうもこの「摩擦」の描き方が弱い。

摩擦って言うより、「彼女」と「戦争」を相克関係に置いてしまっていて、その二つがもたらす矛盾や葛藤といったものが描ききれていない。あくまで対立する二つの概念、別の言い方をすれば「どちらか一つ」的な描かれ方しかされていない気がするのですよ。原作であったはずのちせとシュウジの葛藤、恋愛と戦争の両立における矛盾とかね。ゼロではなかったが、足りない。もっと摺り寄せて、摩擦を起こさないと。

だから映画のラストもそういう結末になっています。ちせが死んで戦争が終わるか、ちせが生きて戦争が続くか。どうなったかはここでは書きませんが、要はちせと戦争はスイッチみたいなもんで片方を光らせると片方は光らない。そうじゃなくて、もっとその二つはシンプルにちせの身体に内包され、けれど複雑な問題を生み出すという構造にしてほしかった。

ただそうなると整合性のあるラストとかは期待できません。意味不明なラストになって、興業的には微妙になるでしょう。

ま、概論としてはそんな感じです。

以下細かい点。


・シュウちゃんの眼鏡がない
・窪塚弟演技うまくない
前田亜季がそもそも可愛くない
・でも前田亜季は演技上手かった
・テツ先輩はミスキャストだ。日本語が不自由してる。ありえない。死んだほうがいい。
・フユミ先輩も可愛くない。もうちっと若い人がいい。
・戦闘シーンがすげーカッコイイ!!!これは見るべきだ。うん。
・サイカノ万歳。

戦闘シーンはマジかっこいいですよ。それだけで元は取れます