絶倫ファクトリー

生産性が高い

ー読書日記ー♯1 資本論 第一章 商品



商品とは?

使用価値と交換価値という二重の価値形態を持つ物体。使用価値はその有用性によって大きさが計られ、交換価値は商品に費やされた抽象的人間労働の時間の長さによって大きさが決まる。

商品が交換される際、その直接的交換可能性は、人間労働の具体性の捨象によって生まれる。つまり例えば一冊の本と一枚の毛布が交換されうる時、それらは同じ量の労働によって作られたということだが、その労働の質は明らかに異なる。印刷と織布は異質な労働だ。だがそれらが交換可能であるということは、この労働の質の差は捨象され、その量にのみ重点が置かれているということだ。この、具体性の捨象された人間労働が先の抽象的人間労働である。

商品の交換価値が表される際、それは決して単一の商品では表されない。一冊の本のどこのページをめくっても交換価値そのものは印刷されていないし、一本の大根のどこをほじくってみても交換価値そのものなどでてこない。商品そのものに目に見えた価値が内在しているわけではないのだ。よって、ある商品の交換価値を表すためには、他の異種の商品を使う必要性がある。
一冊の本の価値を表したい時、その価値形態は一冊の本=十本のペン なる等式に表せる。
この時一冊の本は相対的価値形態であり、十本のペンは等価形態である。十本のペンはこの際、自身の価値表現を一切捨てて、一冊の本の交換価値を表すための計りとなる。
こういった価値形態は、四段階に分類できる。

A 単純な、個別または偶然の価値形態
B 全体的または展開された価値形態
C 一般的価値形態
D 貨幣形態

全体を通して重要なのは、交換価値とは物体に生まれつき存在する概念ではなく、労働力と労働力の交換という実に社会的な関係のもとに成り立っている。労働力と労働力の交換があくまで商品と商品の交換を通じて、見ることが出来るだけである。